#78 感情の省エネ② | 凪の日に鳴る「やり甲斐なしエラー」

共感体質シリーズ第4章のアイキャッチ画像

前回の#77では、
相手への期待をあらかじめ計算式から引き算して、
心の中のシャッターをパタンと閉じる
「しゃーない瞬き」という
0秒ハックをお話ししました。

他人のノイズをスマートに遮断し、
自ら進んで「暇で、平穏な日々」を選び取る。

自分の心の安らぎを最優先にした、
持続可能な省エネ運用のスタートです。

トラブルも不条理な摩擦もない、
完璧な「凪」の1日。

お給料はしっかり発生しているし、
家に帰っても
自分のバッテリーは十分に温存されている。

まさに大勝利の日々です。

……のはずなのに。

そんな平穏な日々の夕方、
ふとした疑問が
ピコッと浮かんでくることがあります。

「こんなにやり甲斐のない仕事をしていて、
何の意味があるんだろう?」

今回は、
せっかく手に入れた「凪」を脅かしてくる、
このソワソワ感の正体と、
その脳内エラーの消し方についてお話しします。

脳内で鳴り響く、初期設定からのエラー通知

一度「やり甲斐」という言葉に
引っかかり始めると、
共感体質の持ち前の思考力は、
恐ろしいスピードで
ネガティブな方向へと暴走していきます。

  • 人生において、仕事が占める時間や割合って
    めちゃくちゃ大きいはず。
    なのに、毎日何も達成しないまま、
    ただ淡々とやり過ごすだけの日々って、
    ただの惰性なんじゃないか?
  • 私の生きる価値って何だろう?
    仕事が楽しければ人生もっと変わるんじゃないか?

SNSを開けば、同世代が
「新しいプロジェクトを任されました!」
と輝いていたり、
自己啓発本や先達たちの言葉が
「やり甲斐を見つけよう!」
「打つ手は無限!」
とキラキラした光を放っているように見えます。

そんな眩しさに一瞬当てられて、
「あれ、私、このままでいいんだっけ?」
とグラついてしまうのですね。

でも、どうかここで
自分の疑問に騙されないでください。

この「やり甲斐がない仕事でいいのか?」
というソワソワ感は、
私の本音ではありません。

長年、他人に過剰同調し、
笑顔で感情を盛り、
必死に他人の期待に応えることでしか
自分の存在価値を確かめられなかった頃の、
「初期設定」が勝手に吐き出している、
ただのエラー通知
なのです。

ずっと「高負荷・全力疾走」が
私の通常運転だったからこそ、
急に「超・省エネ、アイドリングストップ」の
平穏モードになると、
「えっ!?こんなに静かでいいの!?
何か重大なタスク忘れてない!?」
と脳がバグを起こして、
勝手に焦り出しているだけなのです。

現在の脳による、圧倒的ロジカルな「デバッグ」

そうやって古いエラー通知が鳴り響いたとき、
今の私は、
思考の列車にそのまま乗り続けるのを止め、
一歩引いて、
自分の脳内にそっとこう問いかけます。

「やり甲斐を求めてバリバリ頑張って、
他人の期待を背負い込んで、
心身ともに壊れかけたあの過去に、
また戻りたいの?」

「仕事だけが人生のすべてじゃないよね?」

そう自問自答すると、
脳内の暴走が少しずつ冷めていきます。

「やりたいことをやるため、
生きていくためにお金は必要。
でも、そのために心身を削る必要ってある?
私が本当に
人生で重きを置いていることは何?
もし、今ここで死ぬとしたら、
後悔するのはどっち?」

そこまで天秤にかけて
改めて自分の人生観を見つめ直したとき、
返ってくる答えは
いつも、驚くほどシンプルです。

「私はやっぱり、平穏な毎日が好きだ」

何かを達成しないと、
人として価値がないなんてことは
絶対にありません。

世間の自己啓発本や先達たちの言葉は、
彼らの人生における正解であって、
私の人生の正解ではない。

「そういう生き方もあるよね。でも、私は違う」

そうやって他人の仕様と
自分の仕様をきれいに切り離せたとき、
私の脳内は再び、
静かで美しい「凪」の海に戻ってきます。

「これでいいんだ」に、いつでも戻ってくる

長年培った
「頑張らなきゃ病」の残像はしぶといので、
これからも完璧な凪の日に、
忘れた頃に、
「やり甲斐エラー」は通知されてくると思います。

でも、通知が来ること自体は
自分のバグなので仕方がありません。

大切なのは、その通知が来たら
「お、また古い残像が上がってきたな」
とそう気づくことです。

メリット・デメリットを天秤にかけ、
サクッと手動で
「消去ボタン」を押しましょう。

何も達成しなくても、
ただここにいて、
心穏やかに生きているだけで100点満点です。


内側のソワソワを
こうして修正できるようになったら、
あとは外側からやってくる
「他人の評価」に対しても、
最強の防衛システムを構築していきましょう。

次回は、この感情脱出編の総仕上げとして、
他人にどう思われようが
心拍数ひとつ乱さなくなる
メンタルバリアをお届けします。
#79 感情の省エネ③ | 嫌われても実害ゼロの「損得バリア」
こちらも合わせてどうぞ。