#77 感情の省エネ① | 期待を引き算する「しゃーない瞬き」

共感体質シリーズ第4章のアイキャッチ画像

#74〜76の「感情の解剖」では、
共感体質のセンサーが引き起こす
3つの巨大な罠についてお話ししてきました。

  • 勝手な期待が裏切られて起きる「イライラ」
  • 相手の言葉の裏を3Dスキャンしてしまう「深読み」
  • 感情を大爆発させる人をみると
    脳が勝手に解析する「脳内自動分析」

どれも、心が狭いから起きるわけではありません。

ただ、目の前のノイズに対して、
あなたの脳が自動でフル稼働してしまっている、
それだけのことなのです。

ここからは、いよいよ実践編です。

私たちの貴重なバッテリーを守るための
「感情の省エネ運用」へ突入します。

他人の感情に振り回されず、
自分の内側に静かで美しい「凪」の海を取り戻す。

そのために私が現場でリアルに実践している、
明日から今すぐ真似できる
「最初の物理的ハック」をお届けします。

新しい運用ルールを導入しよう

#74で、脳内のイライラは、
自分の「期待」に起因するとお話しました。

そこでちょっぴり切なくて、
でも驚くほど晴れやかな「現実」に気がつきます。

  • そもそも相手は、私が勝手に用意した
    『高いクオリティの期待』なんて、
    最初から求めていなかった。
  • 勝手に期待して、
    勝手にガッカリしてイライラしていたのは、
    私の方だった。

相手には相手のキャパシティや、
生まれ持った仕様があり、
彼らはそのままで満足して生きている。

そこに私が勝手に
「もっとこうすればいいのに!」と
エネルギーを注ぐのは、
お互いにとってノイズでしかありませんでした。

それなら、ここから先は、
自分の限られた心のバッテリーを守るための、
新しい運用ルールを導入しましょう。

それが、今回のテーマである
「しゃーない瞬き」です。

期待を引き算する「しゃーない瞬き」

やることは至極簡単で、単純です。

「この人はこういう仕様」と脳内で唱え、
目をそらして、パチと瞬きをするでけです。

誰かに期待して準備したり、
相手のために教育したり、
誰かを思って感情的になったり、
相手を変えようとすると、
どうしてもエネルギーが必要になります。

たとえば、

  • 丁寧に教えても、新人が一生手順を覚えないとき。
  • 手を替え品を替え、教え方を変えて工夫しても、
    毎度同じ間違いをするとき。

かつての私なら
「なんでメモを確認しないの!?」
「前回間違えたところは
次は気をつけるという脳みそはないの!?」と、
心の中で怒りのマグマが沸騰して、
内側で狂いそうになっていました。

でも環境の調和を優先して、怒るに怒れない。
パワハラと言われる可能性を考えてしまう。
もっと改善案があるかもしれない。
とさらなる闇に沈んでいっていました。

でも、今の私は、
相手をじっと見るのをやめて、
そっと目をそらしながら、
心の中でパチっと
「しゃーない瞬き」を重ねていきます。

私の脳内は、
今こんな風に実況中継されています。

「また間違えてる。何回目……?」
(怒り沸騰の予兆)

  • 「しゃーない」(パチ)
  • 「こういうOS」(パチ)
  • 「指導20回コース追加」(パチ)
  • 「イラつくだけ気力の無駄」(パチ)
  • 「省エネ、省エネ」(パチ、パチ)

こうして言葉をフックにしながら、
1拍ずつ瞬きを挟んで行動していきます。

すると不思議なことに、
あんなにブチギレそうだった感情の沸騰が、
嘘のようにスーッと引いていくのです。

「あの人ならできるはず」という期待(呪い)を
瞬きでパチパチと上書きして、
「これはこういう仕様なんだな」
という事実を引き算していく。

最初から期待しなければ、
相手がどんなに非効率な動きをしようが、
やらかそうが、
イライラが侵入してくることはありません。

これは見捨てではなく、「持続可能な優しさ」

「最初から諦めてシャッターを閉めるなんて、
冷たい人みたいで罪悪感がある……」

真面目な人ほど、そう思うかもしれません。

でも、これは冷徹な見捨てではなく、
お互いがすこやかに働くための
「持続可能な優しさ(ライフハック)」です。

私たちのエネルギーは無限ではありません。

公式のプロジェクトでもないのに、
勝手に期待をかけて身を削る必要はありません。

勝手に心の中でイラついて
自分を責めてしまう必要もありません。

最初から「しゃーない瞬き」で
フラットな距離を保つ方が、
相手にとっても自分にとっても、
圧倒的に平和で優しい関係でいられます。

他人のために自分のバッテリーを使い果たして、
家に帰ったら動けなくなるような生き方は、
もうおしまい。

「しゃーない瞬き」をパチパチッと決めて、
のんびり省エネモードで
平穏にやり過ごしていきましょう。


省エネ運用が軌道に乗ってくると、
心のバッテリーは驚くほど回復していきます。

そんな日々の中、
ふとした瞬間、脳の奥底からザワザワとした
「エラー通知」がピコっと鳴ることがあります。

次回は、
せっかく手に入れた平穏を揺るがしてくる
厄介な脳内バグの正体についてお話します。
#78 感情の省エネ② | 凪の日に鳴る「やり甲斐なしエラー」
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