#35 他人の課題を背負わない勇気

共感体質シリーズ第4章のアイキャッチ画像

共感体質の人は、
「困っている人」を見つけるのが早いです。

そして、気づいてしまうと放っておけない。

でもそのやさしさが、いつのまにか
自分のエネルギーを削っていくことがあります。

今日は、そんなときの話。
“手を出しすぎてしまう癖”から、
少しずつ降りていくための視点をまとめます。


任せていたら仕事が終わらない

こういう感覚、ありませんか?

「私がやらなきゃ回らない」とまでは思っていない。
でも、
「任せたら終わらない」とは思ってしまう。

だから結局、先回りしてしまう。
「やった方が早い」から。
「事故る前に止めた方がいい」から。
「場が荒れるのが嫌」だから。

この感覚って、
すごく現実的なんですよね。

ちゃんと観察して、予測して、判断している。

でも同時に、
ここに落とし穴があります。

助けるほど、自分の仕事が増える

任せるのが不安で、先にやってしまう。
フォローしすぎて、結局自分が抱える。

するとどうなるかというと、
“相手の課題”が、
“自分の仕事”として固定されるんですよね。

たとえば、こんなふうに。

  • 本来は相手が気づくはずのミスを、先に潰す
  • 相手が考えるはずの段取りを、代わりに組む
  • 相手が背負うべき責任を、こっそり引き受ける

その場はうまく回る。
トラブルも起きにくい。

でも、私の中では静かにこうなる。
「仕事が無限に増えていく」
「本来は私の仕事ではなかった」
「疲れる」

この状態は、やさしさの形をしているけど、
長期的には、私が消耗していきます。

「それは相手の仕事」というのは、突き放しじゃない

ここで大事なのが、ひとつの言葉です。

「それは相手の仕事」

この言葉って、冷たく見えるかもしれません。
でも私は、むしろ逆だと思っています。

課題を本人に返すのは、
相手への誠実さでもある。

・相手が気づく機会を奪わない
・相手が責任を持つ練習を奪わない
・相手の成長の道を、勝手に潰さない

助けることはやさしい。

でも、助けすぎると、
相手の人生のハンドルまで握ってしまう。

だから、線を引く。
「これは私の仕事じゃない」と、自分に言ってあげる。

それは冷たさではなく、
境界線の話です。

具体的にどう境界線を引く?

いきなりバッサリ切るのは難しい。
だから私は、こういう小さな段階でやります。

  • 見守る(口も手も出さない)
  • 声をかける(ヒントだけ出す)
  • 確認する(「ここまでできた?」だけ聞く)
  • 最低限だけ拾う(事故の被害だけ止める)


ポイントは、
「相手の代わりに全部やる」から降りること

助かる形を
「肩代わり」から
「見守る」に寄せていく感じです。

おわりに:線を引ける人は、ちゃんと優しい

共感体質の人は、
人の課題が自分の中に入りやすい。
そのぶん、無自覚に背負いやすい。

でも本当は、背負わなくていい。

「それは相手の仕事」

この言葉を自分の中で言えるようになると、
心のバッテリーの減り方が変わってきます。

線を引くことは、
冷たさではありません。

むしろ、
自分にも相手にも誠実でいるための技術です。

あなたがあなたのエネルギーを守ることは、
わがままじゃない。

長く生きるための、調整です。


次回予告

次回は、
共感体質がやりがちな
「期待の先回り」をやめる練習のお話です。


ひとつ前の章が気になる方は、こちらもどうぞ。