共感体質の人は、
「困っている人」を見つけるのが早いです。
そして、気づいてしまうと放っておけない。
でもそのやさしさが、いつのまにか
自分のエネルギーを削っていくことがあります。
今日は、そんなときの話。
“手を出しすぎてしまう癖”から、
少しずつ降りていくための視点をまとめます。
任せていたら仕事が終わらない
こういう感覚、ありませんか?
「私がやらなきゃ回らない」とまでは思っていない。
でも、
「任せたら終わらない」とは思ってしまう。
だから結局、先回りしてしまう。
「やった方が早い」から。
「事故る前に止めた方がいい」から。
「場が荒れるのが嫌」だから。
この感覚って、
すごく現実的なんですよね。
ちゃんと観察して、予測して、判断している。
でも同時に、
ここに落とし穴があります。
助けるほど、自分の仕事が増える
任せるのが不安で、先にやってしまう。
フォローしすぎて、結局自分が抱える。
するとどうなるかというと、
“相手の課題”が、
“自分の仕事”として固定されるんですよね。
たとえば、こんなふうに。
- 本来は相手が気づくはずのミスを、先に潰す
- 相手が考えるはずの段取りを、代わりに組む
- 相手が背負うべき責任を、こっそり引き受ける
その場はうまく回る。
トラブルも起きにくい。
でも、私の中では静かにこうなる。
「仕事が無限に増えていく」
「本来は私の仕事ではなかった」
「疲れる」
この状態は、やさしさの形をしているけど、
長期的には、私が消耗していきます。
「それは相手の仕事」というのは、突き放しじゃない
ここで大事なのが、ひとつの言葉です。
「それは相手の仕事」
この言葉って、冷たく見えるかもしれません。
でも私は、むしろ逆だと思っています。
課題を本人に返すのは、
相手への誠実さでもある。
・相手が気づく機会を奪わない
・相手が責任を持つ練習を奪わない
・相手の成長の道を、勝手に潰さない
助けることはやさしい。
でも、助けすぎると、
相手の人生のハンドルまで握ってしまう。
だから、線を引く。
「これは私の仕事じゃない」と、自分に言ってあげる。
それは冷たさではなく、
境界線の話です。
具体的にどう境界線を引く?
いきなりバッサリ切るのは難しい。
だから私は、こういう小さな段階でやります。
- 見守る(口も手も出さない)
- 声をかける(ヒントだけ出す)
- 確認する(「ここまでできた?」だけ聞く)
- 最低限だけ拾う(事故の被害だけ止める)
ポイントは、
「相手の代わりに全部やる」から降りること。
助かる形を
「肩代わり」から
「見守る」に寄せていく感じです。
おわりに:線を引ける人は、ちゃんと優しい
共感体質の人は、
人の課題が自分の中に入りやすい。
そのぶん、無自覚に背負いやすい。
でも本当は、背負わなくていい。
「それは相手の仕事」
この言葉を自分の中で言えるようになると、
心のバッテリーの減り方が変わってきます。
線を引くことは、
冷たさではありません。
むしろ、
自分にも相手にも誠実でいるための技術です。
あなたがあなたのエネルギーを守ることは、
わがままじゃない。
長く生きるための、調整です。
次回予告
次回は、
共感体質がやりがちな
「期待の先回り」をやめる練習のお話です。
ひとつ前の章が気になる方は、こちらもどうぞ。