#66 根明修行のスイッチ

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根明にはなれませんでした。
それでも、手に入れたものがあります。

スイッチです。


修行は失敗。でも、全部が無駄じゃない

私は観察し、模倣し、壊れかけました。

根明にはなれなかった。
でも、
全部が無駄だったとは思っていません。

あの過程で、
「人によって対応方法を切り替える」
という技を覚えました。

断れないときは、スイッチオン

なるべく他人と関わらないことを選べれば楽です。
でも、選べない場面もあります。

そんなとき。

……スイッチオン。

分厚い仮面を装備。
いざ出陣。

明るさを足す。
テンポを上げる。
声量を少しだけ上げる。
リアクションを大きめにする。

これは、もうフリではありません。
装備です。

常時オンは疲れる

昔は常時オンでした。
だから、壊れかけました。

スイッチを切る方法を、
知らなかったからです。

今は違います。

必要なときだけ使う。
なるべく使わない。

これが、私の微調整です。

なれなかったからこそ、尊敬できる

体力を削って、体調も崩して、
あそこまでやった私が
言うことではないかもしれません。

でも私は、
あの修行を悪かったとは思っていません。

対人スキルは、
欲しいと思って得られるものではない。

だからこそ今もなお、
根明の人たちを本気で尊敬しています。

あれは才能でもあり、
努力でもあり、
簡単に真似できるものではない。

なれなかったからこそ、
そのすごさがわかりました。

だから私は、
今も根明の人たちが好きです。

同類になる必要はない。
無理に変わる必要もない。

自分を扱えればいい。
対応を選べればいい。

それが、
修行で得た大きな収穫でした。


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