朝、鏡の前でメイクをしながら、ついでに“社交用の仮面”も装着します。
今日も、明るく・元気に・感じよく。
誰が望んだわけでもない呪文をそっと唱えて、出勤します。
あるある小話:今日も仮面で出勤中
仮面の装着は、もはやルーティンです。
「おはようございます」の声のトーンは、静かだけどよく通る。これが最適解。
感情のスイッチを切り替えるのは、もはや職人芸。笑顔と能面のオン・オフはいつでも準備できています。
そして「今日もよろしく!」と言われるたびに、心の中でつぶやく。
――何がよろしく、なんでしょうね?
心底疑問です。
「聞き上手」という名のエネルギー消費も半端ありません。
相手が気持ちよく話せるよう、相槌と表情筋を自動調整。
「わかります〜!」の裏で、脳内BGMが「帰りたい」をリフレイン。
「話しやすい人」は褒め言葉なのか、呪いなのか、いまだにわからない。
……いや、今はもう悟っています。誰にも興味ないから、誰にでも優しくできるんです。
そうして過ごすうちに、仮面の下で電池切れ。
退勤後、部屋に入って30分は放心。
誰の声も入ってこない静けさが、ようやく体に沁みわたります。
「いい人」でいようと力むのは、そろそろやめたい。そうは思ってもなかなか難しい今日この頃です。
あとがき
今日も仮面で出勤。
けれど、この仮面を磨いてきたおかげで、社会の風は少し穏やかに感じます。
――これも、共感体質の生存スキル!
そう信じています。
第9話↓↓↓

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