#33 感情のアンテナに「フィルター」を貼る

共感体質シリーズ第4章のアイキャッチ画像

共感体質の人は、
自分が思っている以上に、
周囲の感情や空気を拾っています。

相手の機嫌。
場の緊張感。
言葉にされなかった違和感。

それらを「感じてしまう」こと自体は、
悪いことではありません。

問題になるのは、
拾った感情を、
そのまま自分の内側に入れてしまうことです。


共感体質のアンテナは、常にフル感度

共感体質のアンテナは、とても性能がいい。
少しの変化も、すぐに検知します。

  • 声のトーンが下がった
  • 返事が短い
  • 動きが雑になった

こうした情報が入ると、
脳内で自動的に「意味づけ」が始まります。

「何かあったのかな」
「私、何かしたかな」

ここで問題なのは、
この反応がほぼ無意識で起きること。

気づいたときにはもう、
感情の波に片足を突っ込んでいる。

フィルターを貼る、という発想

アンテナを折ることはできません。
感度を下げることも、正直かなり難しい。

だから私が選んだのは、
アンテナの先に
「フィルター」を貼るという考え方でした。

フィルターとは、
「感じないようにする」ためのものではありません。

感じたあと、
どう扱うかを選ぶためのワンクッションです。

「それは天気かもしれない」と考えてみる

フィルターの中身は、とてもシンプルです。

それは、
相手の感情を「天気」として扱うこと。

今日は雨。
だからといって、
自分のせいとは限らない。

今日は曇り。
だからといって、
理由を探しに行く必要はない。

相手の不機嫌も、
沈黙も、
ピリついた空気も、

「そういう天気の日なんだな」
と、いったん外側に置いてみる。

たとえば、職場に、
突拍子もなくキレる気分屋の上司がいます。
最近はその様子を見ると、
「あ、今日も絶好調だな。稲光が眩しいな」
くらいの距離感で眺めるようにしています。

これは突き放しているわけではなく、
相手の感情を
「私の処理対象」にしないための距離の取り方です。

こうすることで、
脳内警備システムの出動頻度は下がります。

傍観者になると、境界線が見えてくる

フィルターがある状態では、
自分と相手の境界線が、少しはっきりします。

相手の感情は、相手のもの。
私は、それを「見ている側」。

無理に介入しなくてもいい。
先回りして調整しなくてもいい。

対応が必要になったら、そのとき考えればいい。

この距離感が取れると、
共感は「消耗」ではなくなります。

フィルターは、冷たさではない

感情にフィルターを貼ると、
冷たい人間になった気がするかもしれません。

でも実際は、その逆です。

自分を守れないまま共感し続けると、
いずれ余裕がなくなり、
誰にもやさしくできなくなる。

フィルターは、
長く人と関わるための装置

自分を守るためであり、
相手を雑に扱わないための工夫でもあります。

まとめ:フィルターを貼るという戦略

感じてしまうことは、止められない。
でも、巻き込まれるかどうかは選べる。

感情のアンテナにフィルターを貼る。

それは、共感体質として生きるための
ひとつの現実的な戦略です。

拾いすぎない。
背負いすぎない。
まずは、傍観者でいていい。

それだけで、
日常の消耗は、確実に減っていきます。


次回予告

次回は、フィルターを貼ったあと、
人との距離をどう保つかについて書いていきます。


ひとつ前の章(自己理解)が気になる方は、
こちらもどうぞ。