すこやか生活

共感体質ですが、人間関係にコツがいります。#16 “境界線スカスカ情報共有マシン”とのつき合い方

「この話、ここだけの話なんだけどさ…」
そう前置きしながら、あちこちの情報を集めては、あちこちへと“共有”していく人がいます。
悪気はないのかもしれないけれど、秘密がどんどん薄まっていき、境界線がスカスカになっていくタイプ。

今回は、そんな「境界線スカスカ情報共有マシン」と、どう距離をとるかに悩んだときの、共感体質なりのつき合い方のお話です。


「この人に話すと、全部どこかに流れていく」タイプ

私のまわりにもいました。
事前に「絶対に話さないでね」と伝えていても、後日さりげなく本人の耳に届いてしまう人。

本人いわく、
「うっかりしててさ〜」「つい話しちゃった」
と悪びれた様子はゼロ。
どうやら、本人の中では“秘密のライン”がかなりざっくりしているようです。

一方で、情報収集能力は高く、あちこちから話を聞き出してくるのも得意。
コミュニケーション力が高いからこそ、「この人に話すとすぐ広まる」という独自ネットワークが出来上がっていました。

“共感体質”から見ると、なぜ危険度が高めなのか

共感体質にとって、「秘密」や「境界線」は、とても大事な安心材料です。
誰にどこまで話すか、自分の中で線引きをしておかないと、心が落ち着きません。

ところが、“情報共有マシン”タイプは、そこがかなりスカスカ。

・誰かの悪口を聞くと、その印象がそのまま張りついてしまう
・Aさんから聞いた愚痴を、そのままBさんに伝えてしまう
・自分の感情と他人の感情の境界もあいまい

そんな具合に、情報も感情もすべて「自分ごと」として受け取り、そのまま外側に放出していくイメージです。

私は、そこまで深く関わってはいなかったので、直接的な被害はあまりありませんでした。
それでも、「この人に何か渡せば筒抜けになるだろうな」という予感は、関わるたびにじわじわと強まっていきました。

「危険だから避ける」ではなく、「渡さないものを決める」

このタイプと出会ったとき、共感体質の私がまず決めたのは、距離そのものよりも「渡さない情報の範囲」でした。

具体的には、こんなルールです。

・自分のプライベートな話は基本的にしない
・他人の評価や愚痴は一切渡さない(絶対に混ざらない)
・誰かの秘密や、まだ共有したくない計画は話さない

表面上の会話や、仕事に関することだけなら、そこまで危険度は高くありません。
むしろ情報通として、場の空気を読んでくれる場面もあります。

「危ないから関わらない」ではなく、「この人には、これ以上の情報は渡さない」と冷静に線引きする。それが、共感体質としての“安全な距離感”だと感じました。

被害妄想×情報共有は、静かに距離を置くサイン

さらにやっかいなのが、
「被害妄想ぎみ」な気質 × 情報共有マシンの掛け算です。

誰かの何気ない一言を、5割増しで受け取ってしまい、
「ひどくない?」
「あれって私のことだよね?」
と、どんどん“解釈上乗せ”をしていくタイプ。

その感覚自体は、ある意味では「物事の捉え方の違い」として面白く、私は観察者として話を聞くぶんには興味深く感じていました。

ただし、ここで一つ大事なポイントがあります。

・その解釈に、同意はしない
・「そうなんですね」と受け止めるだけにとどめる
・自分の評価や、別の人の話を混ぜ込まない

そうしないと、気づかないうちに
「一緒になって誰かの悪口を言っていた人」
として巻き込まれてしまう危険性があります。

「この人の中だけの世界」と割り切る

情報共有マシンタイプの人の話は、その人なりの「世界の見え方」であって、必ずしも事実ではありません。
もちろん、完全な嘘というわけでもなく、本人からすると「本当にそう見えている」のだと思います。

だからこそ、

・「この人の中では、そう見えているんだな」
・「これはこの人の解釈であって、真実そのものではない」

と、心の中でそっとラベリングしておきます。

そのうえで、

・人の印象は、自分が直接関わったときの感覚で決める
・人づての悪口だけで、相手を判断しない

という “自分側の軸” を持っておくと、
他人の感情や解釈に飲み込まれにくくなります。

共感体質が学んだ、「境界線スカスカな人」とのつき合い方

共感体質としてこのタイプと関わってみて、私が学んだのは、
「全部を拒否しなくてもいい。ただし、大事なものだけは渡さない」
という感覚でした。

・会話そのものは楽しんでもいい
・情報通として参考にするのもアリ
・でも、自分や誰かを傷つける火種は渡さない

その線さえ守っていれば、
「境界線スカスカ情報共有マシン」とのつき合いも、
そこまで怖いものではなくなります。

共感体質は、つい
「人の話を真剣に受け止めすぎてしまう」
「秘密や感情を丁寧に扱いすぎてしまう」
ところがあります。

だからこそ、
「この人は境界線の感覚が私とは違うんだ」
と理解したうえで、
渡す情報の量と深さを調整していく。

それは冷たさではなく、自分と誰かを守るための“やさしい境界線”なのだと思います。


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