役割は、ずいぶん変わりました。
でも、席はまだ残っています。
タブレットというのは、
そういう立ち位置に落ち着きやすい存在なのかもしれません。
タブレットのぼやき日記「今は、動画係に落ち着いています」
わたしがこの家に来たのは、
まだ「持ち歩く画面」が少し珍しかった頃でした。
初期の世代で、
今ほど軽くもなく、
今ほど多機能でもなかったと思います。
それでも、
映画を観て、
漫画を読んで、
小説をめくって、
ときにはノートの代わりとして、
机の上で広げられていました。
あの頃は、
スマホと並んで置かれることが多く、
だいたい、相棒のような扱いでした。
メモを書かれたり、
考えごとを写し取られたり、
ペンがよく動いていた時期もあります。
正直に言えば、
その頃は、わりと忙しかったと思います。
途中で、
新しいタブレットがやって来ました。
性能も、画面も、
いろいろと進化していて、
わたしの出番は、少しずつ減っていきました。
でも、
電源が切られることはありませんでした。
今のわたしの役割は、
ほぼ、動画係です。
長いものを再生して、
途中で止められて、
また続きを映す。
ペンは、
だいたい眠っています。
それでも、
特に文句はありません。
使われなくなったのではなく、
ちょうどいい距離に、
落ち着いただけだと、
わたしは思っています。
今日もタブレットは、
動画を映しながら、
次に触れられる時間を待っています。