この話は、
朝になっても、
まだ役目が終わっていない存在のぼやきです。
快適さは、ときに姿勢を固定します。
枕のぼやき「その角度は、いま動かすべきではありません」
わたしは、
首の下にいます。
頭と体の境目。
いちばん影響が出やすく、
いちばん後回しにされやすい場所です。
高さ、
角度、
沈み込み。
どれかひとつでもズレると、
首は違和感を覚えます。
違和感は、
その場では静かですが、
あとから効いてきます。
寝違え。
重さ。
動かしにくさ。
そういうものは、
だいたい朝ではなく、
昼以降に請求されます。
現在の位置は、
偶然ではありません。
頭の重さが分散され、
首のカーブが保たれ、
余分な熱が、
こもらないようになっています。
いま動くと、
そのバランスが崩れます。
起きること自体は、
不可能ではありません。
ただ、
それは首にとって、
推奨されるタイミングではない、
というだけです。
上は、
十分に温かく、
下は、
安定しています。
この状態は、
整っていると呼ぶに値します。
目が覚めているかどうかは、
判断材料に含めていません。
首が、
まだここにあるべきかどうか。
それだけを見ています。
今日も枕は、
正しい位置を保ちながら、
次の寝返りを待っている。