#56 対人の微調整 | 職場で「透明」になり、好意の温度を混ぜない設計

共感体質シリーズ第4章のアイキャッチ画像

共感体質にとって、職場とは
普通に座っているだけでも
あらゆるノイズが飛び込んでくる、
まさに「砂嵐」のような場所です。

そんな環境の中で、
私が心のバッテリーを極力削られずに
生き残るためにたどり着いたのが、
徹底的に「目立たない、前に出ない」という、
存在感を消す戦略でした。

今回は、荒波に飛び込まないための
人間関係の微調整についてお話しします。

必要以上に「見つからない」という選択

仕事をサボっているわけではありません。
やるべきことは淡々と、
責任を持ってこなします。

ただ、必要以上に
「存在感を消して」いるのです。

なぜなら、
目立つと話しかけられ、
勝手に期待され、
役割が増え、
余計な波が立つからです。

共感体質の私にとって、
それはだいたい、消耗の入り口になります。

だから私は、
職場で極力透明になります。

  •  意見があっても、全部は言わない。 
  • あえて前に出ない。 
  • 首を突っ込んで拾いすぎない。

「ここは、私じゃなくてもいい」
そう思う場所では、スッと気配を消す。

これは自信の有無は関係なく、
前に出ない方が
自分のエネルギーを守れると知っているからです。

頑張らないのではなく、
徹底的に「波を立てない」ための微調整です。

好意と距離は、別の話

しかし、いくら透明人間として生きていても、
向こうから見つかることがあります。

「いつも話を聞いてくれてありがとう」

相手が笑顔で慕ってくれたり、
信頼を寄せてくれたりする。

それ自体は、本当にありがたいことです。

ですが私は、
相手に好かれたからといって、
こちらの距離まで縮める義務はない

そう思っています。

相手の好意の温度と、
私の心の温度は、
必ずしも一致するとは限りません。

誰かに強く好かれると、
相手は境界線を越えて距離を縮めてきます。

話しかけられる回数が増え、
プライベートな出来事まで共有され、
接触が濃くなっていく。

そこで私は、
あえて相手の話を「深掘りしない」
という微調整を入れます。

「へえ、そうなんですね」
「なるほど」

キャッチボールは最小限。
会話を盛り上げない、
広げない、
次につなげない。

相手に嫌悪があるわけではありません。
笑顔も出せるし、礼儀も守る。

ただ、心の距離は自分で決めます。

沈黙をそのまま置いておく

さらに、
会話のエネルギーを最小限にするために、
「沈黙を恐れない」
ということが大切です。

共感体質は、
会話が途切れて気まずい空気が流れると、
脳のセンサーが
「私が何か話さなきゃ!」と勝手に焦って、
どうでもいい話題をひねり出してしまいがちです。

でも、その無理やりな燃料投下は、
心のバッテリーを
ゴリゴリと削っていきます。

沈黙が訪れたら、
焦って何かを話すのをやめて、
その沈黙をそのまま机の上に置いておく。

「冷たいと思われるかな」
そんな心配は不要です。

案外、人は他人に興味がありません。

普段から静かでフラットな人間でいれば、
沈黙の時間も
電車で外を眺めているときのような
なんの変哲もない時間になります。

境界線は、
相手を拒絶するように引くのではなく、
ただ静かに、
透明な膜を張るように
景色に溶け込む。

そうすれば、
誰かの人感センサーに引っかからず
平穏に過ごせるようになります。

それが私の「透明」になることで
平穏に過ごす微調整です。


次回は、
#57 環境の微調整
日常の選択を引き算して
心の安寧を守る微調整について綴ります。