#54 役割の選択 | 与えられた仮面を脱ぎ、これからは自分で選んでいく

共感体質シリーズ第2章のアイキャッチ画像

これまで、私が日常の中で無意識に、
あるいは自ら引き受けてきた
数々の「役割」について記録してきました。

前半(#46〜51)で見てきたのは、
摩擦を避けるために「橋渡し役」になったり、
丸投げの空気を察して「中継窓口」になったり、
最終的には「指導者の指導者」へと、
雪だるま式に膨れ上がっていった
私の過酷な消耗の記録でした。

一方で、後半(#52〜53)では、
旅行の計画や休日の手配のように、
自分の安心と心地よさを確保するために、
自発的に動いた調整の記録をお届けしました。

これらの経験を経て、
ようやく気づいたことがあります。

それは、
「役割」そのものが悪なのではありません。

  • 誰のために
  • どの立場で
  • どう引き受けているか

この『主導権』がすべてを決める
ということです。

なぜ「与えられた役割」はあんなにも苦しかったのか

前半の役割が
これほどまでに私をすり減らした理由は、
いたってシンプルです。 

「場を丸く収めるため」
「停滞のストレスを避けるため」という
共感体質の特性が、
無意識のうちに、
役割を引き受け続けてしまったからです。

公式な役職も権限もない。
それなのに、
間に入る「板挟みの精神的コスト」や
「責任」だけを一人で背負わされる。

自分のキャパシティを超えてもなお、
便利に稼働し続けてしまう。

これはいわば、
共感体質特有の「自動同調モード」が
周囲の都合に合わせて暴走した結果です。

自分のエネルギーを
他人に給油し続けているような状態でした。

これではいくら体力や精神力があっても、
心のバッテリーが足りるはずがありません。

「役割」を自分の味方にして、使いこなす

しかし、
後半の「旅行の計画」などを振り返ってみると、
面白い事実に気づきます。

自分の持つ調整力や、
全体を先回りして俯瞰するスキルを、
「自分が消耗しないため」
「大好きな空間を快適に運用するため」であれば、
非常に心地よく発揮できるのです。

共感体質は自分ではオフにできない、
いわば「システム(機体)」のようなものです。

 今まではその出力に振り回され、
周囲の環境に飲み込まれ、
機体を暴走させていました。

しかし、
これからは違います。

誰かの都合によって
無理やり着せられた「便利な仮面」は、
もう脱ぎ捨てていい。 

これからは自分自身がコックピットに座り、
その手綱を自分で握って、
主体的に「操縦」していくのです。

自分がすこやかに生きるために、
自らの意思で
役割を「選択」すること。

それこそが、
心のバッテリーを守るための
最強の防衛ラインになります。

次なるステージへ:構造を知り、日常を「運用」する

とはいえ、
「よし、明日から役割を自分で選ぶぞ!」
と決意しただけで、
すべての問題が綺麗に解決するほど、
共感体質のシステムは単純ではありませんよね。

「中継窓口を開けないぞ」
そう思っていても、
現場のダラダラした空気に耐えられない。
やっぱりタスクを早く終わらせたい。
そんな性質が邪魔をして、
つい手が動いてしまう……
というような、
性質の衝突や葛藤は必ず起こります。

だからこそ、
私たちはここで立ち止まらず、
さらに深い攻略を進めていく必要があります。

第3章では、
そもそもなぜ共感体質は、
これほどまでに
役割に磁石のように吸い寄せられてしまうのか、
その背景にある「脳の癖」や
「組織のシステム」を
ロジカルに解剖していきます。

そして、第4章では、
「わかっていても動いちゃう自分」と
現場でどう折り合いをつけ、
どう防衛センサーを鳴らして
衝突をいなしていくのか、
具体的な運用方法を手渡していきます。

といっても、
私もまだまだ訓練中です。

おわりに:共感体質というシステムを攻略していこう

共感体質の持つ「見えてしまう力」は、
自分を削るための呪いではありません。

自分と大切な人の世界を
心地よく構築するための強靭なツールです。

与えられる役割を生きるフェーズは、
もう終わり。 

これからは、
このシステムを自分で乗りこなし、
すこやかに日常を攻略していきましょう。