#62 根明修行のはじまり

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私は一時期、
本気で“根明修行”をしていました。

今となっては笑い話ですが、
当時はいたって真剣です。

始まりは、たぶん弟でした。


弟という原点

私の弟は、
いわゆるコミュ力おばけです。

「口から生まれてきた」
と本気で言われるくらい、誰とでも話せる。

試験会場で
たまたま隣になった子と仲良くなり、
バス停で出会ったおばあちゃんとご飯に行く。

怖いよね、と思いながら、
私はどこかで「すごいな」と思っていました。

私は昔から、他人への関心が薄い

私は昔から、
他人への関心が薄いほうです。

男女問わず、
人を好きになるのにも時間がかかる。

興味のあることには
とことん没頭するけれど、
それ以外はあまり気にしない。

ひとりでいることは、
まったく苦ではありませんでした。

太陽みたいな人に憧れた

それでも私は、
太陽みたいな人が好きでした。

場の空気をぱっと明るくできる人。
迷いなく前に出られる人。
友だち想いで、高齢者にも自然に優しい人。

眩しいけれど、嫌いじゃない。

むしろ、
憧れていたのだと思います。

前に出てくれる人の隣は、安心だった

中学時代、荒れた環境の中でも、
私はいつもリーダー格の子のそばにいました。

前に出てくれる人の隣は、
正直、楽でした。

私は観察して、
合わせて、
微調整していればいい。

その位置が、居心地よかった。

行動信仰を、本気で信じた

でも社会人になって、私は思いました。

コミュ力こそ出世に繋がる。
行動力こそ成功の鍵。
性格は変えられる。
やらないより、やって後悔。

私はそれらを、
本気で信じていました。

迷ったらやる。
とにかく前に進む。
変わろうとする人間は、報われる。

そうすれば、
もっと生きやすくなるはずだと。

弟のように。
太陽みたいな人たちのように。

修行のはじまり

私は、冒険者に憧れた少年みたいな気持ちで、
剣を振り始めました。

根明修行の、はじまりです。


つづく