#6 見放すやさしさ

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見放すやさしさ

昔の私は、「人のために動くこと」が
優しさだと思っていました。

誰かが困っていると、すぐ手を貸してしまう。
頼まれなくても
「やっておきますね」と笑顔で引き受け、
相手の負担を減らすことが、
思いやりの証だと信じていました。

でもあるとき、気づいたんです。

その「優しさ」は、相手のためというより、
“嫌われたくない自分”を守るための
反射だったのかもしれないと。

部下のために本気で叱る上司や、
残業してまで指導する先輩のほうが、
よっぽど誠実で、ほんとうに優しかった。

私は、笑顔で「やっておきますね」と言いながら、
その人の仕事や成長のチャンスを
奪っていたんだと思います。

そのことに気づいたとき、
少し恥ずかしかったけれど、
もう無理に動かなくてもいいんだと思うと、
どこかホッとしました。

今は、手を貸さずに見守るようにしています。

誰かが困っていても、すぐに動かず、
「きっとこの人は、自分で乗り越えられる」
そう信じて待つ。

必要なときに手を差し伸べればいい。

それが、私にとっての
“誠実な優しさ”になりました。

あとがき

昔は、優しさを“行動”だと思っていたけれど、
今は“信頼”の形をした
静かなやさしさがあると知りました。

見守る余白の中で、
相手の力も、自分の心も、
ちゃんと育っていく気がします。


次回は、共感体質あるある第1弾です。
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