「またその話…?」と思うくらい、同じ愚痴を何度も何度も聞かされる相手。
しかも、AさんにBさんの愚痴を言い、BさんにはAさんの愚痴を言う——そんな“負の渦”の中心にいる先輩がいました。
当時の私は、職場の人間関係を壊したくなくて、話を聞き流しながらも、なんとなく付き合っていました。でも、長く付き合うほど、心のエネルギーがじわじわ削られていく感覚が強くなっていきます。
今回は、「共感もアドバイスも求めていないのに、愚痴だけはエンドレスな先輩」との距離感について、共感体質なりの“安全な関わり方”を振り返ってみたいと思います。
同じ愚痴を何度も繰り返す、“負のループ”先輩とは
その先輩は、元職場でお世話になった年上の方でした。
仕事自体はてきぱきこなすし、表向きは“面倒見のいい先輩”として見られていたと思います。
ただ、一緒にいる時間が長くなるほど、ある傾向が目立ってきました。
- 何週間・何か月も前の出来事を、何度も同じ温度で愚痴る
- AさんにBさんの愚痴を言い、BさんにはAさんの愚痴を言う
- 誰かの小さなミスや言動を、いつまでも根に持っている
- 話を聞いてほしいだけで、改善策やアドバイスには興味がない
最初のころは、「きっとつらかったんだろうな」「話を聞くくらいなら」と思っていました。
ところが、同じ話が何度も何度もループし始めると、だんだんと胸のあたりが重くなっていきます。
共感体質の私は、相手の感情をそのまま飲み込んでしまうところがあります。
先輩の“怒り”や“モヤモヤ”に触れるたびに、こちらの気力まで一緒に吸い取られていくような感覚がありました。
共感体質が“愚痴の受け皿”になると、心はあっという間にすり減る
愚痴そのものが悪いわけではないと、今でも思っています。
誰かに話して少し軽くなることもあるし、信頼している相手に弱音を吐けることは、ある意味で健全さでもあります。
ただ、この先輩の場合は、少し様子が違いました。
- 話の内容が、いつも誰かの悪口や不満に偏っている
- 同じエピソードが、温度感そのままで繰り返される
- 「どうしたらよくなるか」には、ほとんど興味がない
- こちらの意見よりも、とにかく吐き出すことが目的になっている
共感体質の側から見ると、こういう相手に長く付き合うほど、
- 気持ちがずしんと重くなる
- やる気や集中力が削がれていく
- 帰宅後も、先輩の言葉や表情が頭から離れない
という“負の連鎖”が起きてしまいます。
さらに厄介なのは、「AさんにBさんの愚痴、BさんにAさんの愚痴」をくり返すタイプは、愚痴の対象が自分に向くリスクも高いことです。
うっかり同調してしまうと、「あの子も同じことを言っていた」と、自分の名前までセットで広められてしまう可能性もあります。
距離バグ系の陽キャ同期は、たしかに“楽しいのに疲れる相手”でした。
一方で、この愚痴エンドレス先輩は、「気力が削られる」だけでなく、「人間関係のトラブルに巻き込まれる危険性」も高いタイプだと感じています。
“負の渦に巻き込まれないために、「自分の心」を最優先する
そんな先輩と、どう距離を取ればいいのか。
当時を振り返ってみると、共感体質なりに試行錯誤していたポイントがいくつかあります。
- 話を真剣に受け止めすぎない
最初のうちは、相手の感情を受け止めようとして、1つ1つの愚痴に丁寧に反応していました。でも、それを続けるほど自分の気力が削れていくので、「聞き流す」くらいのスタンスに変えました。
相づちは打つけれど、心の奥までは入れない。「そうなんですね〜」「大変でしたね」くらいの、薄いクッションをはさむイメージです。 - 同意しない・味方のように振る舞わない
「それはひどいですね」「わかります!」と強く同意してしまうと、愚痴仲間としてカウントされてしまいます。すると、気づかないうちに、誰かを一緒に悪く言っていたことになり、二次被害に巻き込まれる可能性も出てきます。
私は意識的に、「そう感じたんですね」と、あくまで“相手の感想である”ことを強調する言い方に変えました。
この一歩引いたスタンスは、自分を守るうえでとても大事だったなと思います。 - アドバイスしない・解決しようとしない
愚痴エンドレスな人は、基本的に「解決」よりも「吐き出すこと」が目的になっていることが多いです。こちらがいくら改善案を出しても、「でも」「だって」と返されて、堂々巡りになるだけでした。
途中から私は、アドバイスを封印しました。
「この人は変わりたいわけではなく、ただ話したいだけなんだ」と理解したことで、距離の取り方も変わっていきました。 - 返事はオウム返しか、一言だけ
「○○さんがこうでさ〜」と言われたら、「あぁ、○○さんがそうだったんですね」と返す。
基本はオウム返しか、「そうなんですね〜」「聞いているよ」のサインだけ。
それ以上の踏み込んだ言葉は、あえて飲み込むようにしました。 - 必要以上に自分のことを話さない
自分の悩みや、他の人との関係性を話すと、それが次の“愚痴の燃料”になるかもしれません。
「この人には、これ以上の情報は渡さない」というラインを決めておくことも、自分を守るうえでとても大切だと感じました。
共感体質ほど、「すべての愚痴に付き合わなくていい」と知っておきたい
共感体質の人は、「話を聞いてあげないと悪いかな」「途中で切り上げるのは申し訳ない」と、自分の感情よりも相手を優先しがちです。
でも、すべての愚痴に丁寧に付き合う必要は、きっとありません。
愚痴を言うこと自体は、人間らしさでもあります。
ただ、
- 何度も同じ話を繰り返す
- 誰かの悪口や不満ばかりになる
- 解決する気はなく、吐き出すだけが目的
- 周りの人間関係をかき回すような話し方をする
こんな特徴が重なってきたら、それはもう、自分の心を守るために「距離を考えていい相手」だと思います。
私自身、この先輩との関わりを通して、「共感すること」と「受け皿になること」は違うと学びました。
そして、「自分の気力が削られてでも付き合う価値のある愚痴」と「そっと距離を置いたほうがいい愚痴」があることも、少しずつ見分けられるようになってきました。
共感体質だと、どうしても「話を聞いてしまう側」に回りがちです。
だからこそ、「これ以上は、自分の心がもたないな」と感じたところで、フェードアウトする勇気を持っていたいなと思います。
すべての人に深く共感しなくていい。
すべての愚痴の“受け皿”にならなくていい。
自分の心を守るために、距離を選びとる。
それもまた、共感体質がこの世界で生きていくための、大事な“コツ”のひとつなのかもしれません。
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