冬になると、部屋の真ん中に小さな太陽が生まれます。
足元からじんわり広がるぬくもり、みかんの香り、ふと落ちるまぶた。
忙しい季節の合間に、そっと家族を丸ごと包み込む存在がいます。
第四話は、冬限定で堂々登場する「コタツ婦人」のぼやきです。
コタツのぼやき「ぬくもりは丸ごと包んでさしあげます」
冬が来て、出番ですのよ
わたくし、コタツと申します。
押し入れの奥で静かに過ごしておりましたが、冬の足音が聞こえるころ、
「そろそろ出そうか」という合図をいただきますの。
このひと言、毎年胸が温まりますのよ。
登場した瞬間の「うわ〜最高!」、あれを聞くために一年を越してまいります。
家族のぬくもり、わたくしの中に。
テーブルの下は、席取り合戦でたいへんにぎやか。
「ちょっと詰めて」なんて声が飛び交って、笑い声がいくつも重なります。
お顔はそれぞれスマホへ向かっておりましても、足はちゃんと一緒。
まずは足から温まれば、そのうち心もゆるむものですの。
節電上手な働き者
この冬は電気代のことがよく話題になりますけれど、
わたくし、見た目より仕事ができる省エネタイプでございますの。
お部屋全体をがんがん温めるのではなく、必要なところを要領よく。
乾きすぎないのも自慢でして、電気毛布さんとは“節電同盟”を組んでおりますのよ。
春の足音が聞こえたら
季節がゆるみ、窓辺の光がやわらぐころ、
「そろそろ片付けようか」という相談が聞こえてまいります。
毎年のことですわね。わたくしは静かにスイッチを落とし、
「また来年、ごきげんよう」と心の中でご挨拶いたします。
それでも最後に、必ずどなたかがおっしゃるの。
「やっぱりコタツって最高だね」って。
そのひと言がある限り、わたくし、何度でも冬に帰ってまいります。
今日もコタツは、眠る足先を包みながら、次の冬を待っている。

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