#71では「古い業務の見て見ぬフリ」、
#72では「タイパのバグの逆利用」について
お話ししてきました。
今回は、最もエネルギーを奪われやすい対象
「人」への対処方法をお届けします。
何度も同じことを聞いてくる新人。
いつも何かしらやらかしてしまう同僚。
やったことを逐一アピールしてくる
承認欲求の塊のような人。
かつての私は、脳内アラームに急かされて
「私がやった方が早い」
「私がカバーしなきゃ」と、
他人の課題の領域にズカズカと踏み込み、
そして勝手に疲弊していました。
でも、今の私は、
彼らに対して感情のメモリを1ミリも割きません。
目指すのは、
優しさでも冷たさでもない、
徹底的に感情を盛らない「不干渉」です。
依存してくる人への「オウム返し」と「報告の原則」
職場で最も私のメモリをハッキングしてくるのは、
自分で考えるコストをサボり、
何でも「便利な検索エンジン」に頼ろうとする
そんな人たちです。
たとえば、
何度教えても一生手順を覚えず、
「ここ、どうするんでしたっけ?」
と気安く聞いてくる新人。
ここで親切に答えを教えてしまうと、
相手の「サボり癖」を強化し、
自分に貼られた「便利な先輩」というラベルを
さらに強固にしてしまいます。
そこで、新しい運用ルールです。
私は笑顔も、怒りの感情も一切乗せず、
ただニュートラルにこう「オウム返し」をします。
「どうすると習ったかな?」
目を合わせず、声のトーンもフラットに、
ただ相手の投げたボールをそのまま投げ返す。
こうすることで、
「これは私のタスクではなく、
あなたが自分の脳のメモリを使って
思い出すべき、あなたの課題ですよ」
と、境界線をきっちり引くのです。
また、いつも何かしら
やらかしてしまう同僚に対しても、
過保護にカバーするのはやめました。
何かエラーを起こした報告を受けても、
私は完全に無視、あるいは淡々とこう告げるのみです。
「わかりました。
自分でその旨を上司に報告してきてください」
手取り足取り守ってあげるのは、
相手のためにも自分のためにもなりません。
やらかした泥は、
自分で拭き取ってもらう。
それが「他人の課題に干渉しない」
ということです。
承認欲求の塊には「承知のみ」で返す
もうひとつ、
職場に生息するノイズとして厄介なのが、
「これ、私がやっておきました!」と、
やったことを逐一報告してくる
承認欲求の塊のような存在です。
共感体質はここでも
「あ、褒めてほしいんだな」
「場を盛り上げなきゃ」と先回りして、
テンションを相手にシンクロさせ
「すごーい!助かる!」
とエネルギーを盛ってしまいがちです。
ですが、こちとら「省エネ・平穏」が第一。
他人の承認欲求を満たすためのガソリンに、
自分の貴重なエネルギーを
使う必要はまったくありません。
ここでもモットーは「フラット」です。
相手がどれだけアピールしてきても、
目を合わせず、感情の起伏をゼロにして、
こう返すだけにしています。
「はい、わかりました」
ただの事実としての「承知」のみ。
エネルギーを盛らず、
かといって否定もせず、
ただフラットな壁としてそこに佇む。
これだけで、相手は
「あ、この人にアピールしても
私を承認してくれないな」と学習し、
次第にこちらをハッキングしてこなくなります。
感情のコストカットが、最高の凪を連れてくる
- 目を合わせない。
- 笑顔ではなく、ニュートラルに。
- 感情を盛らずに、ただフラットに。
文字にすると、
少し冷たくドライに感じるかもしれません。
でも、これは
誰かを攻撃するためのものではなく、
過酷な現場で自分の「平穏」を
100%キープするための、
最も安全な防衛術です。
他人の課題は、本人にがんばってもらう。
冷たく突き放すのではなく、
「これはあの人の課題だ」と一歩引いて、
心の中で静かに見守ってあげる。
他人のコストの肩代わりをやめ、
感情のコストカットを徹底したとき、
あなたの職場ライフには、
これまでにない
静かで快適な「省エネ空間」が広がるはずです。
いかがだったでしょうか。
共感体質が陥りやすい「自滅ループ」について、
6回にわたりお話してきました。
私は、この闇の渦中にいる期間が長すぎて、
いまだに無意識に
笑顔で感情もりもりに返事しちゃって、
「あ、またやっちゃった」と
心の中でズコッと転ぶ日もあります。
それに、職場が心底忙しい時は、
他人の成長を待っていると
私の休憩時間が消滅するので、
無許可でタスクを強奪してます(笑)。
完璧なロボットを目指すんじゃなくて、
「基本はフラット、戦時は強奪、たまにやらかす」
そのくらいのスモールステップで、
一緒にゆるっと練習していきましょう。