前回の#71では、
職場の古いやり方や非効率な手順に気づいても、
あえて手を出さずにスルーする
「見て見ぬフリ」についてお話ししました。
「あえて直さない」という選択をすると、
職場のあちこちに、
化石のような古いやり方のせいで発生する
「意味のない、無駄な時間」が
ぷかぷかと浮かび上がってくるようになります。
自動システムが入っているのに、
なぜかそれを紙に転記するような
古代魔法(雑務)にこだわっている上司。
新しい規定を覚えようとせず、
変更点に文句ばかり言っている周囲の人たち。
かつての私なら、
「もっとサクサクやれば一瞬で終わるのに!」
と、その非効率さにイライラして
脳のメモリをすり減らしていました。
でも、今の私は、
その無駄な時間に対しても、
省エネな新しい運用ルールを用意しています。
今回は、組織の不条理を
自分の「隠れみの」にしてしまう、
ちょっとした思考ハックをお届けします。
ハック①:無駄な時間 = 「お金が発生しているラッキータイム」
まず1つ目のハックは、
職場の非効率によって発生した
ダラダラした時間に対する、
メンタルの切り替えです。
化石のような古い手順のせいで、
業務がちっとも進まないとき。
周りが新しいシステムに文句を言って
フリーズしているのを、
ただ待っていなければいけないとき。
そんな時は、
心の中でそっとガッツポーズをしながら、
こう呟いてみてください。
「この無駄な時間、1分1秒すべてに、
給料が発生してるの最高だな」と。
早く終わらせなきゃ、
効率よくやらなきゃと思うから、
他人のノイズがストレスになるのです。
そこをあえて「効率主義」を完全に封印して、
組織の不条理を
「省エネの隠れみの」に逆利用してしまいます。
「時計の針がカチッと進むだけで、
私はのんびりお金をもらえている。
慌てずゆっくりやろう」
そうやって、非効率をあえて
「自分のためのボーナスタイム」として
タイムパフォーマンスを逆転させてしまう。
これが、組織のバグを味方につける
1つ目の運用方法です。
ハック②:能力を隠す「時間差提出」
そしてもう1つ、
「便利な検索エンジン」にされないために、
絶対に導入したい強力なルールがあります。
それが「時間差提出」です。
私たちは、#70で話した通り
「こなせる器用さ」を持っています。
期限のある提出物やデータ入力を、
最新のシステムを使って爆速で、
一瞬のうちに終わらせることなんて、
実は朝飯前だったりしますよね。
自分のタスクをスッキリさせたいから、
すぐに手をつけたくなる。
でも、終わった瞬間に
「できました!」と即時提出するのは、
今日からストップです。
なぜなら、
爆速で綺麗に仕上げてすぐ出すから、
周囲に「余裕があるんだな」と誤解され、
結果的に新しい仕事を
どんどん押し付けられてしまうからです。
そこで、あえて
「タイムラグ」を発生させます。
実際には、
すでにタスクを完了させておきながら、
提出するタイミングは
「期限の少し前」まであえて引っ張るのです。
これにより、周囲には
「つむぎも期限ギリギリまでかかって、
一生懸命どうにか調整してくれたんだな」
という“疑似的なプロセス”が
勝手に生成されます。
自分のタスクはスッキリしているのに、
周囲からは
「余裕があるわけじゃない、普通の人」
としてラベリングされる。
ノイズを極小に抑えて平穏を保つための、
意図的な「ギリギリの提出」です。
自分の能力を、自分の平穏のために「隠す」
職場の「無駄な時間」をラッキーと捉えること。
自分の「こなせる器用さ」を
時間差提出でカモフラージュすること。
これらは、決して仕事をサボっているわけでも、
不誠実なわけでもありません。
自分の持っている処理能力を、
これ以上他人にハッキングさせないための、
誠実な「自己防衛」です。
時代に置いていかれた化石たちが
ぐだぐだと文句を言っている横で、
その不条理を味方につけて、
のんびり、スマートに
自分のエネルギーを守っていきましょう。
まずは今日、
期限のあるタスクをパパッと終わらせたとき、
提出ボタンを押す手をちょっとだけ止めて、
引き出しにそっと仕舞い込んでみることから、
始めてみませんか。
次回は、やらかす人や非効率な人に対して、
心の中で満面の笑顔を浮かべながら
境界線をきっちりキープする、
「笑顔の不干渉」について綴ります。
#73 他人の課題への「不干渉」
〜 感情のコストをカットする境界線の引き方
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